高学歴女子が就職活動時から不安に思う4項目

日経BP日経ビジネスオンラインで始まった新卒2年目記者の記事「私、ここで結婚できますか?」と聞く女子大生、どう思います?:NBonline(日経ビジネス オンライン)が面白かったので反応する。*1

とりあえず社員/学生や世代間の意識の差という議題についてはおいておく。

 まず、今の女子学生はほかの世代よりも「結婚できるのか。家庭を大事にできるのか」ということを深刻に考えてしまうのでは、と私には思えるのです。

 なぜか。それは、今の女子学生は、女性として特別扱いを受けたことが極端に少ない人生を送っている(と、私には思える)からです。

この部分にだけ総合職女子として反応してみる。*2

これは、高学歴首都圏(主に都内)在住女性の悩みなんだと思う。地方差、偏差値差は顕著にあるだろう。

仕事も子育ても社会的に生産性の高い行為だと考えられるくらいの女子にとって、2つを両立することは必須なのだ。そして特に都内高学歴女子は知っている「仕事してなきゃ自分が満足できない」「夫ひとりの給与じゃ満足できない」ということを。

高学歴女子は考えてしまうのだ。

1)仕事して社会に影響を与えること、自己実現することこそが自分の受けてきた教育の集大成である(と教育されている)

2)私が経験したい/してきた遊びを就職しても結婚しても継続するにはお金がいる(と実感している)

3)私が受けてきたのと同等かそれ以上の教育を子供に受けさせるにはお金がいる(という知識はある)
4)両親が老いたときに介護には金がかかる。夫の収入だけで4人の老人の面倒を見ることはできないだろう(という知識はある/自分の親の苦労を見ている)

1)「働いて、社会的価値を自らに持たせること」を理想として勉強してきた高学歴女性に働かないという選択肢はない。自分の知識や技術を社会に対して還元することが一番「よいこと」であり「当たり前」なのである。
 家庭にこもって子育てと家庭作りだけに没頭できる思考回路があったらどれだけ幸せだろうと思って悶々とする高学歴女子も多いだろう。実際、その思考回路で生きている女子はたくさんいる。体感で言えば、生活費が安く、周囲の考え方により結婚が早い地方や首都圏でも一定の学歴以下の人に多い。

2)首都圏、特に都内で暮らすにはお金がかかる。やりたいことだってたくさんある。美味しいご飯、ネイルにスパ、楽しい旅行、もしかしたらもう一度大学院。自分のお金で消費することは自分への投資であり、尊いことである、と、ものごころついたときから世間はずっと言っている。

3)4)今の日本では明らかに社会制度に不安があり、子供の教育と親の介護に金と時間がかかることは明白であると思っている。親族一同に頼れない首都圏女子、頼れるものは金である。総合職女子は就職時には男子と条件が変わらないため、大学時代から付き合う彼氏よりも給料が高いなんてざらである。自分の勤める会社と彼氏が勤める会社、どっちが先になくなってもおかしくない、どっちが先に欝になってもおかしくない、だから自分が働き続けなければ。

そんなわけで、高学歴女子はいろんなことをたくさん心配しながら就職して、働きながらも不安で不安でしょうがないのだ。どんどん強くなるね、女子は。

強くなった女子は先達のこんな言葉をきいてさらにあせるのでした。

自分のために、恋人が羽ばたくチャンスを奪うような男は、男じゃない。

これから彼氏を探すなら、そのへんを見極めることをお忘れなく☆

http://d.hatena.ne.jp/pollyanna/20080508#p1 より)*3

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*1:はてブコメントだけ読んでてもかなり面白い。私自身は元記事のコメント欄は女性の自己主張欲にあてられてまともに読めなかったという事実も面白い。

*2:追記:仕事をばりばりこなすことと育児は相反する作業であるという前提条件。好奇心旺盛な高学歴女子は「子育てもしてみたい!」と思っているという前提。子供を生むことは消費市場を継続させるため、社会のために必要なことであるという認識もあったりするかも

*3:追記2:そしてやっぱり考えすぎてぐるぐるしすぎて男子の理解が得られることが少ないなぁとも思う。男子にはこれらの考え方のトレースは難しいのだろうか?

*4:2008/7/15 追記 こちらの匿名日記がなぜ、高学歴女子がこう思うに至ったのかという点と関連性が高いと思うのでリンクをはっておきます。同世代の当エントリに該当しない女子の生き様も描かれています「わが子を自分探し病から守る」http://anond.hatelabo.jp/20080715002131