XAMPP導入手間取ったメモ――スカイプ・再インストール・言語設定

このブログでは唐突感にあふれてしまいますが、約1年越しでXAMPPの導入に成功したのでメモを公開しておこうと思います。Google先生、ひいてはウェブ上の資産に助けていただきましたので、今後導入される方にも参考になれば幸いです。

OS:WindowsXP SP2
*1
XAMPP: XAMPP1.6.8(XAMPP1.6.2をアンインストール)


<ひっかかったのは以下の3点>
1)port80をSkypeが使っちゃってる件
これはもう有名、Skypeがポート80を使っていてMySQLが動かないという話。

2)日本語向けセキュリティ設定ファイルがないバージョンがある
これは削除しちゃってから気付いたんだけど、XAMPPのバージョンによってはセキュリティの日本語版ファイルが入っていないために、ブラウザからセキュリティ設定をしようとしてもできないらしい。

Web2.1「XAMPPのインストール手順」
http://takapop2ch.blog103.fc2.com/blog-entry-3.html

XAMPP1.6.2で、たぶん、これではまって前回挫折したんだと思う。

3)再インストールするにはアンインストールしたあとに残ったフォルダの全クリアが必要
どうも、今回入れている1.6.8ではアンインストールしたらフォルダだけ残るなんてことはないみたいだけど、以前いれていた1.6.2では残ったみたい。


19740308(TM)「XAMPPの再インストール方法と設定など。」
http://www.7438.com/archives/2008/09/20080923_2302.php

このへんを参考に(もっと古いバージョンだと、設定ファイルの上書きで対応しないといけないみたいな話もあった)さくっとC:\のXAMPPと名前のつくフォルダを削除。


■XAMPP1.6.8をインストール
再起動してから、もう超楽楽に。インストーラーに従うのみ。

具体的に中身の設定時に全体的に参考にしたのは以下のサイトです。

PHPspot
http://phpspot.net/php/pgXAMPP.html

ちなみに
C:\xampp
に構築しました。

んで、ブラウザで

http://localhost/

が開けたら無事インストール終了しております。3の罠にはまっていたときには、Apache(=サーバ)が起動していなかったので、この画面すら開いてくれませんでした。

□とりあえずローカルからのみアクセスできるようにする
ほんで色々セキュリティ関連を設定。まずは外部を防ぐために、ローカルからしかアクセスできなくします。

C:\xampp\htdocs\.htaccess

              • -

Order deny,allow
Deny from All
Allow from localhost 127.0.0.1

              • -

を作っておきました。あとでアクセスできる場所は決めうちしてあけておこう…。
*2


□言語設定を全部UTF-8に設定する

http://www.hi-ho.ne.jp/tadokoro/menu/xampp.html
これを参考に全部UTF-8に設定しました。設定ファイルは以下。

C:\xampp\apache\binのphp.ini。
「;」をとれば設定されます。保存して念のためApache再起動。


□セキュリティ設定の続きをする
とりあえずディレクトリ全体にはさいに.htaccessをいれておいたので、あとはmySQLへのアクセス権rootに対してパスワードを付与する。デフォルトはパスワードなしです。http://localhost/の「セキュリティ」でさくっと設定できます。ほんとは.htaccessも設定できるのですね。


□おまけ:PHPからODBCに接続できなくてはまった
ということで、これはアクセス権がすべてのユーザー(All users)にあるディレクトリにDBファイルを移したら解決しました。
あとPHPでは具体的にはHTMLのスクレイビングするみたいなの作ってたんですが、ページがSJISで、うまく読めなくてPHPの言語設定全部SJISに変えました。

んなわけで1年ごしくらいにやっとインストールできました。パチパチパチパチ。
ってやっぱり向いてないよ、プログラム関連と再認識させられたのでした。
Google先生、となりの先輩ありがとう。

*1:windowsのバージョン確認て、コマンド画面でwinverってやればいいんですね…

*2:ところでこの「127.0.0.1」っていうIPアドレス。なんでこの数字でいいの?と思ってたんですが「ローカル・ループバック・アドレス」っていうんですね。localhostと同じ。http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/803localhost/localhost.htmlより

高学歴女子が就職活動時から不安に思う4項目

日経BP日経ビジネスオンラインで始まった新卒2年目記者の記事「私、ここで結婚できますか?」と聞く女子大生、どう思います?:NBonline(日経ビジネス オンライン)が面白かったので反応する。*1

とりあえず社員/学生や世代間の意識の差という議題についてはおいておく。

 まず、今の女子学生はほかの世代よりも「結婚できるのか。家庭を大事にできるのか」ということを深刻に考えてしまうのでは、と私には思えるのです。

 なぜか。それは、今の女子学生は、女性として特別扱いを受けたことが極端に少ない人生を送っている(と、私には思える)からです。

この部分にだけ総合職女子として反応してみる。*2

これは、高学歴首都圏(主に都内)在住女性の悩みなんだと思う。地方差、偏差値差は顕著にあるだろう。

仕事も子育ても社会的に生産性の高い行為だと考えられるくらいの女子にとって、2つを両立することは必須なのだ。そして特に都内高学歴女子は知っている「仕事してなきゃ自分が満足できない」「夫ひとりの給与じゃ満足できない」ということを。

高学歴女子は考えてしまうのだ。

1)仕事して社会に影響を与えること、自己実現することこそが自分の受けてきた教育の集大成である(と教育されている)

2)私が経験したい/してきた遊びを就職しても結婚しても継続するにはお金がいる(と実感している)

3)私が受けてきたのと同等かそれ以上の教育を子供に受けさせるにはお金がいる(という知識はある)
4)両親が老いたときに介護には金がかかる。夫の収入だけで4人の老人の面倒を見ることはできないだろう(という知識はある/自分の親の苦労を見ている)

1)「働いて、社会的価値を自らに持たせること」を理想として勉強してきた高学歴女性に働かないという選択肢はない。自分の知識や技術を社会に対して還元することが一番「よいこと」であり「当たり前」なのである。
 家庭にこもって子育てと家庭作りだけに没頭できる思考回路があったらどれだけ幸せだろうと思って悶々とする高学歴女子も多いだろう。実際、その思考回路で生きている女子はたくさんいる。体感で言えば、生活費が安く、周囲の考え方により結婚が早い地方や首都圏でも一定の学歴以下の人に多い。

2)首都圏、特に都内で暮らすにはお金がかかる。やりたいことだってたくさんある。美味しいご飯、ネイルにスパ、楽しい旅行、もしかしたらもう一度大学院。自分のお金で消費することは自分への投資であり、尊いことである、と、ものごころついたときから世間はずっと言っている。

3)4)今の日本では明らかに社会制度に不安があり、子供の教育と親の介護に金と時間がかかることは明白であると思っている。親族一同に頼れない首都圏女子、頼れるものは金である。総合職女子は就職時には男子と条件が変わらないため、大学時代から付き合う彼氏よりも給料が高いなんてざらである。自分の勤める会社と彼氏が勤める会社、どっちが先になくなってもおかしくない、どっちが先に欝になってもおかしくない、だから自分が働き続けなければ。

そんなわけで、高学歴女子はいろんなことをたくさん心配しながら就職して、働きながらも不安で不安でしょうがないのだ。どんどん強くなるね、女子は。

強くなった女子は先達のこんな言葉をきいてさらにあせるのでした。

自分のために、恋人が羽ばたくチャンスを奪うような男は、男じゃない。

これから彼氏を探すなら、そのへんを見極めることをお忘れなく☆

http://d.hatena.ne.jp/pollyanna/20080508#p1 より)*3

*4

*1:はてブコメントだけ読んでてもかなり面白い。私自身は元記事のコメント欄は女性の自己主張欲にあてられてまともに読めなかったという事実も面白い。

*2:追記:仕事をばりばりこなすことと育児は相反する作業であるという前提条件。好奇心旺盛な高学歴女子は「子育てもしてみたい!」と思っているという前提。子供を生むことは消費市場を継続させるため、社会のために必要なことであるという認識もあったりするかも

*3:追記2:そしてやっぱり考えすぎてぐるぐるしすぎて男子の理解が得られることが少ないなぁとも思う。男子にはこれらの考え方のトレースは難しいのだろうか?

*4:2008/7/15 追記 こちらの匿名日記がなぜ、高学歴女子がこう思うに至ったのかという点と関連性が高いと思うのでリンクをはっておきます。同世代の当エントリに該当しない女子の生き様も描かれています「わが子を自分探し病から守る」http://anond.hatelabo.jp/20080715002131

文字、と触覚、を味わうには反応速度が必要だった「文学の触覚」展

もともとTypeTraceのデモをEngadgetのオフ会(http://d.hatena.ne.jp/saya_fujitani/20071004)で見て気になっていた「divisual」(http://dividual.jp/)を見るのが主目的でした。

さて。

もともと紙媒体が大好きなわたくし。東京都写真美術館、しかも森山朋絵さんがチーフキュレーターということで嬉々として参りました。のわりに最終日になってしまったのですが。
地下の展示室のみでの展開で、展示物自体は少なかったものの、人もあまりおらずじっくりと味わうことができました。
まず。
入り口を入ると左手に参考資料としてNintendoDSの「DS文学全集工作舍の紙型が。紙型は印刷の行程で活字から型をとるものです。さらにそこに材料を敷いて印字するもとの型を作るわけです。つまり、紙型は鏡文字ではないです、普通に読める文字が彫られている。当たり前ながら流麗な活字印刷生み出されるであろう、文字の溝がとてもきれいで、今回一番感動しました。

さらに入ると平野啓一郎+中西泰人の「記憶の告白」がスクリーンに。スクリーンの前においてあるボールを動かすと文字が動きます。あとから資料をみてみると見学者に小学5年生時の記憶を問いかける文章みたいでした。が、文の意味をちゃんと読み取らないと理解できないのに文字が動いてしまうので、結構理解するのが難しかったです。直感的にいけない。動的なものと文字を動かすタイミングというのは難しいものですね。左右のみにしか動かないとかならとらえるのも早そうですが。

そのスクリーンの裏側には、勝手に動くキーボードが。ファーのソファーに座ってコーヒーテーブルの上に置かれたiMacで閲覧する作品を選びます。今回はこれを目的にきました。
キーボードは舞城王太郎がこの作品のために作ったエッセイのような文章をトレースし、スクリーンには対応する文字が映されていきます。何章かにわたる文章は、会期中にかかれていたものでした。
「キーボード入力をトレースする装置」がこの作品の機構なのですが、書いた文字や変換の行程を表示するだけではなく、うち始めるまでに時間がかかると文字が大きくなるというものがあり、これが一番面白かったです。小説家がどのように文章を書いているのかにはとても興味があり、ワープロ・パソコン出現前の人と後の人では書き方が違うのだろうな、というのを漠然と思っていました。しかし。舞城氏の書き方は一文字、一行、かいてはかいては消したり書き出すまで3分以上たったりと、紙に書いているのとそんなに違わないのでは?という感じがしました。実際は違うのでしょうけど。ソファの前のMacには完成稿が表示されていて、目の前で入力されている文章とは全く違うものになっていたりするとかたかたいうキーボードの音と共に、トレースされているプロセスが本当に面白く感じられました。

「然」
という鳥獣戯画から動物の絵をとってアニメーションさせるきれいな映像があったのですが、これも参考展示でした。どこにも鳥獣戯画からきているとはかいてありませんでしたが。。。

「火よ、さわれるの」穂村弘+石井陽子

穂村の詩が円柱のテーブルの上に投影されます。単語ごとに区切られてふわふわと。蚊が一番わかりやすくて、ぶーんって音をたてながらとんでいました。残念ながら自分で光を遮るとどんなインタラクションがでるのかよく理解できませんでした。でももうすこし反応が明らかにでるなら面白かったかも。

「七つの質問」川上弘美+児玉幸子
さて、児玉さんといえば、つまりあの磁性を帯びた液体が立ち上がるように見える作品です。05年だか04年だかにARS ELECTRONICAで見て以来、かなりさまざまなところで見ています。どこで見てもあんまり変化がないのでだんだん飽きてきました。といってしまうのは現代アートヲタの話ですね。
今回は川上弘美さんが設定した質問に、見学者が声を発するとそれに反応して液体が動くというものでした。洗面台という設定で洗面器に黒い液体が満たしてあったのですが・・・声の長さとか音量とかかえてみたんですけど、あんまり変化が見えなくてちょっと残念。質問は公衆の面前で叫ぶには恥ずかしい「今日、あなたは何を食べましたか」とか「あなたの性別を教えてください」とか。もっと籠って自問自答したいような質問でした。

以上、言及していない作品もありますが、感想でした。
全体的に満足感はありましたが言語を視覚化する難しさ、楽しさ、ですね。パラメーターとしての人的行為がいかに数値的にはうすいか、とか。
10年後、メデイア環境がかわったときに同じテーマの展示に期待、でしょうか。

「文学の触覚」展
会場: 東京都写真美術館
スケジュール: 2007年12月15日 〜 2008年02月17日
12月28日(金) 10:00〜18:00、2008年1月2日(水)〜4日(金)年始特別開館 11:00〜18:00。
住所: 〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス
電話: 03-3280-0099 ファックス: 03-3280-0033

国立新美術館移転は正解「第11回 文化庁メディア芸術祭」受賞作品展

なんだかやっぱり激混み(最終日なんかにいっているのが悪いのですが)でげんなりしながらみました。でも人がたくさんいる状態というのがうれしいのです。みんな、もっと見て!現代アートを、日本のテクノロジーを!

気になった作品を羅列します。

Se Mi Sei Vicino (if you are close to me)
優秀賞の作品。とにかく「雰囲気を図式化する」が面白い。センサーの入った黒光りする台(2m四方くらい)の上にのったパフォーマー。それを囲む2面のスクリーンと2面の観客。同時に4人までがあがってパフォーマーとの間を作ることにより、台より発生する地場を変化させてサウンドとグラフィックを変化させる。そのグラフィックも美しい。なによりも、好奇心を丸だしにしながら、パフォーマーに近づいていく参加者、微動だにしないパフォーマー。その空気感の濃さが、テクノロジーを超えてこちらに訴えかけてくる。
実際に見たことはないのだけれど、オノ・ヨーコの「カットピース」を連想させた。「カットピース」は舞台上に座ったヨーコのきているものを観客がきって持ってかえっていくパフォーマンスだけれど、にたような緊張感を感じた。そこにテクノロジーが介在し、コンテクストを観客に考えさせることなく図式化して見せる、というその形式そのものが現代なんだと感じた。

captive julia
フラクタル集合で描かれた三次元の静止画。もうこれはきれい、としかいいようにない。数学的に描かれながらも貝のようなその形は、複雑な計算が自然の形に近づいていることを身近に感じさせてくれる。応募者が理工学研究科のドクターコースだということも、メデイアアートの広がりと未来を感じさせた。
そしてなにより、会場で嬉々として作品について語る作者の表情がとてもよかった!

BOTECH-art
どうして自然を解析するとこんなにきれいなものができるのだろう。ビニルでつくられたものかと見まがう植物。美しい。
今回は静止画部門がとてもきれいな作品、はっとさせられるものが多く、とてもよかった。

音響書道
スピーカーを仕込んだ下敷きの上で書道をすると、筆の運びの音を拾う。本来は大きな面にダイナミックな書を書く際のパフォーマンスだという。たしかに、筆のかすれる音は心にひびく、人が思わず体をゆらしてしまうようなダイナミックな音だった。今回は半紙に参加者がかく小さなものであったが、ぜひパフォーマンスも見てみたいと思わされた。

このフェステイバルが国立新美術館で行われるようになって、確実に集客力はましたと思う。以前は東京都写真美術館で行われており、ほとんどその手の筋の学生だらけだったから。たとえば今回ならば、横山大観を見に来たおばさんたちが多数見学していた。普通のカップルも数多く、場所を移したことは正解なのだなと思った。
その中で、「先端技術ショーケース’08」をもうけたことの意味は大きいのではなかろうか。今回展示されていたのは4つだったが、センサー技術を利用した光るボール、音声解析によって感情を機械的に音声に付加する技術、音声を解析し、文節に応じてうなずくロボット、光の濃淡に反応させる技術、とその成熟度ではかなりばらつきのあるものであったが、実際に見ている人が手に取って触るものばかりでかなり人気を集めていた。さらに、それらを応用したアートの提案も別のひとたちよってなされており、きっと産業用途がほとんどであろう研究の成果をわかりやすく展示していた。

今、これを見に来ているカップルが数年後に子供をつれてまたきてくれるような展示にかわっていくとうれしいな。あと1ヶ月以上展示して、国際的に人を呼べるようにしてほしい。東京都写真美術館ICCYCAM、仙台メデイアテークなどと共同で何かできたりしないのだろうか?

「第11回 文化庁メディア芸術祭」受賞作品展開催
会場: 国立新美術館
スケジュール: 2008年02月06日 〜 2008年02月17日
住所: 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
電話: 03-5777-8600

文化庁のオフィシャルページ http://plaza.bunka.go.jp/

学術プレゼンに爆笑――Engadget Japaneseオフ会

 毎日"濃いい"語り口で世界のガジェットを紹介してくれるブログ、「Engadget」の日本サイト、「Engadget Japanese[Beta]」のオフ会に行ってきました。(http://japanese.engadget.com/2007/10/04/engadget-/

■「濃すぎるんじゃないか」懸念
 ウェブで告知されていたオフ会、参加コメントを送るのはかなり迷ったんです。理由は「みんな1人1つ自慢のガジェットプレゼンをさせられるんじゃないか」と思ったからでした。結局友人を巻き込んでいくことにしたのですが、友人は行けず、一人で乗り込みました。DSだけ持って行きましたがそんな出番はなかったですね。一部のかたがたのプレゼンで多いに楽しめました。

■最も嬉しかったのは「XO」に触れたこと!
 ずーっと気になっていた"100ドルパソコン"こと「XO」アメリカはマサチューセッツ工科大学発のNPO「OneLaptopPerChildren」のプロジェクトです。予想外に軽い、小さいそしてなにより「Cawaii」でした。実は細かい構成はまったく覚えておらず、協力な無線LAN、防塵・防水仕様、LINUXベースという事前知識しかなかったのでした。
 が、もう緑の耳にめろめろ!おもちゃみたいな小さいゴムっぽいキーは無駄に押したくなるし、画面の横についているゲームパッドにも想像力が広がります。フラッシュメモリを採用した軽さというのは大きく、いますぐ取っ手を持って外に持ち歩き出したかったです。というよりもこのサイズと軽さなら通勤バッグに入れて持ち歩きたいと思ったのです。ぜひOL向けに作ってほしい。
 OSは使い方がよくわからず、あんまりいじれなかったのですが、ディスプレイの輝度を暗くすると白黒に、明るくするとカラーになるという発想には感心しました。
 「Google無線LANをADhocに展開して地球制覇するプロジェクトの一環だよ」というささやきが頭を掠めたことも事実ですが、こんな機体を幼少時に配られちゃったら一生その企業には最大のシンパシーを抱きますよ。まったく…

■男子率95%は想定内、外国人率10%は想定外
 正確に数えたわけではないので、見た目の感想になりますが、明らかに女子の数より外国人が多かった。1つはEngadgetChinese、本家Engadgetの方などが目立っていたため、また、日本在住の本家Engadget読者の方がいらしていた様子。ある程度覚悟はしていたのですが、英語率の高さにびっくりしました。
 ところでテルミンの日本以外での知名度ってどうなんですかね?日本だとアレゲ関係や音楽関係の人だとかなりの人が知っていると思いますが、大人の科学の付録のテルミンについて外国の方に説明しちゃいました。

■爆笑の学術系研究発表
 実は学術系は既知のものが多かったのですが、実機に触ったことがないもの、開発者の方とお話したことがないものも多く、大変勉強になりました。ただ、やはり思ってしまったのは「海外の情報ってどれくらいはいっているのか?」ということですね。すぐにでも英語のプレゼンを練習して(EngadgetのIttousaiさんに頼もう(笑))ARSELECTRONICAあたりに出展されることをお勧めしたかったです。特に印象に残ったのは以下。

・塚田浩二氏「WillCam」(http://mobiquitous.com/
 そのごつい改造VAIO-Uにとても惹かれました。なぜかVAIO-Uの底面にカメラがついており、強く興味をひかれてご本人に話しかけてしまいました。自分、見ている対象、気温等すべてを記録するカメラということで、その完成度もさながら、USBハブを搭載した拡張性の高さに将来性を感じました。

・稲見 昌彦研究室(http://www.hi.mce.uec.ac.jp/inami-lab/inami/index-jp.html
あえて研究室でひとくくりにします。光学迷彩やWindディスプレイなど、とてもユニークな研究をされているのですが、学生さんの卒業という課題からアートや実用としていかせるところまでいっていないのが気になりました。もう少し長いスパンで研究できる制度があるといいですね。

・ドミニク・チェン氏*1(作品タイトルをメモするのを失念しました)
 今回見た中でもっともコンセプチュアルな作品で、日本語入力の特殊さを考えましたが、アートやガジェットとしての面白さにはいたっていないようにおもいます。中国語や英語、アラビア語など同じ意味の文章でも入力方法の違いの比較をキーボードを発光させて見せるとか、なんとかもう1段階あるとガジェット的にも面白いのになぁと思いました。
 調べてみると、このへんが派生元のプロジェクトがあるようですが、いまいちどれが本元なのか分かりませんでした。分かり次第追記します。

・庄司道彦氏「バーチャルヒューマノイド」(http://wingover.jp/
作品どうこうではなく、プレゼンの間合いの取り方に感動を覚えました。日本の技術者の方で会場とコミュニケーションを(仕込んだとおりに)とりながら、きちんと時間通り進められる方って少ないんじゃないでしょうか。えーっと作品に関しては・・・いやまぁがんばってくださいと。

と、最初15分で帰ろうと思っていた人とは思えないほど楽しませていただきました。また機会があったら是非ライトニングトークのネタを持って参加したいですね。

てゆーかIttousaiさんを最後の紹介まで気づかず(なんか変な人居る…サークルの先輩みたい…)とかなんとか考えてました。ゴメンナサイ。ITmedia掲載の小寺信良さんのインタビュー(ITmedia +D LifeStyle:「Engadget」って何だ? )どおりのいでたちでした。

2007/10/22追記:
http://japanese.engadget.com/2007/10/21/engadget-offline-tokyo-wrap-up-1/
オフィシャルのレポートが出てたのでリンクしておきます。

*1:ところで美術手帖等に書かれている芸術評論家のDC氏とは同一人物なのでしょうか・・・?(ちらっと調べた限りでは同一人物のようですね)

歌う吉田美和と戦う中村正人・DREAMSCOMETRUE WONDERLAND 2007最終日

※普段のエントリーとは別版です。個人的な感想と強い思い入れしか書いてありません

 バルーンにつるされ、浮遊する吉田美和*1、最終日は風が強くてアリーナの客席につきそうになっていてハラハラしながら見守った。アリーナ席をぐるっと取り囲む花道を走る吉田美和、各会場で上がった花火…。フルパワーで歌う吉田美和にどきどきしながらCDと同じくらいの質で歌われる歌に心底感動した。ときどきはずす音程にはやきもきしていたが、数百メートルを走りながら観客の近くにきて歌う42歳には何もいえない。「ありがとう、ありがとう」楽曲と歌のパワー、言葉、それらひとつひとつにパワーをもらって帰るライブだった。

 DreamsComeTrue(ドリカム)の4年に1度の盛大なライブツアーが終った。「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007」(DWL2007)だ。ファンのリクエストに基づく選曲、ライブ会場を遊園地に見立てた演出。アルバムの発売毎のツアーとは一味違う、アーティスト自ら「エンターテインメント」と公言するツアーだ。「LOVELOVELOVE」発売後の人気絶頂期の1995年に行われた「史上最強の移動遊園地 DreamsComeTrueWonderLand 1995」は全国で50万人を動員し、更地に円形の回るステージを組んだことからも話題になった。ビデオの出来もよく、ドリカム史上最高のツアーだったと言うファンが多い。

 2007年は8月4日から9月23日まで、札幌ドーム、ヤフードーム(福岡)、名古屋ドーム、京セラドームとさぬき市野外音楽広場テアトロン、つがる地球村 野外円形劇場、そして国立霞ヶ丘競技場で行われた。11公演での総動員数は45万人。最終会場となった東京の国立競技場では1日6万人のファンが集まった。

■ファンは確実に変化している、ドリカムも

 「やさしいキスをして」イントロで会場が沸く。2004年発売のこの最近の曲で観客が沸くのは、ドリカムのファン層にも新たな世代が加わったということだろう。*2古くからのファンは最近のツアーで聞いているのでそこまで感動しない。98年ごろからアリーナクラスでさえチケットが売れ残っていたドリカムが、今回45万人動員できたことがここ最近のファンの増加、変化を表している。
 そこまで有名な曲でもないが、ドリカム自身が「ドリファンク」と呼ぶ一連の力強い曲が一気に演奏され、「SUNSHINE」から「あなたに会いたくて」までを踊りとおす。「あなたに会いたくて」はデビュー曲だ。このファンの中で、デビューアルバムを聞き込んでいない人がどれくらいいるのだろうか。3人だった時代のドリカムのコンサートにいったことがある人はどれくらい居るのだろう。
 本編の最後、花火の前に歌われる「あの夏の花火」。今はドリカムではない西川隆宏が主メロディを書いた曲で、前週に裁判傍聴エッセイを読んでいた私は薬物所持で捕まった彼を思い出していた。そしてこの曲を歌う吉田美和を一緒に見た過去に私が大好きだったひとたちも。4年に一度と決められたこのコンサートは人生の半分以上をドリカムの音楽と共にすごしてきたわたしにとって、それまでの自分を振り返り、この先の糧とするものだ。

■忘れない、明日の夢のためにこの日を

 私はこの12年間の間に、8回引っ越してきた。その間ずっと持ち歩いている本がある。「UN-FORGETTABLE THE DAYS OF DREAMS COME TRUE WONDERLAND'95 WE ARE WONDERLANDERS!!!」(1995年11月21日発売、ソニー・マガジンズ)だ。95年のDWLの記録本、ドリカムをはじめとするDWL95 関係者のロングインタビューは何度も何度も繰り返し読みすぎていて、紙がばらけている。私は95年のワンダーランドには行けなかった。ビデオを買って、「UN-FORGETTABLE」を買って、古本屋でライブレポートの載った雑誌を買って…。臨場感あふれるレポート、アーティストとそれを囲む人々がしのぎを削ってライブを作り上げる様を熱意にあかせて必死にむさぼるように読んだ。数ヶ月もたてばまるでライブに参加したような気分になっていた。

 やっと参加できた。

 今回のDWLはこの思いが強い。95年のワンダーランドに匹敵するライブに参加できたことをとても嬉しく思う。

 札幌の初日では中村正人*3がかなり必死の形相でベースに取り組んでいた。95年の「UN-FORGETTABLE」でも述べられているとおり、彼はフロントマンでもなく、バックバンドでもない。今回も佐藤博音楽監督に迎え、自身のプレイに集中できるはずだったとはいえやはり彼はドリカムの一員なのだ。バンドメンバーに指示をだし、自分のプレイをし、吉田美和のフォローをする。ドリカムのプロデューサーとして、準備段階でも相当交渉の場面で自ら悩んできているはずだ。そしてなにより、今年はブログ*4を毎日書いている。ファンの反応を毎日直接見ており*5、かなりの精神的プレッシャーになっていたことだろう。わたしはツアー初日のアリーナ席から数メートルの距離で見た全然笑わない中村正人を忘れられない。札幌2日目のファンクラブ限定公演では、運営体制のまずさから開演の遅れ、それに伴うライブ内容のぐだぐだ感が出てしまい、ファンからはかなりの文句が出た。すべりまくるギャグを繰り出しながら真面目にドリカムという仕事と対峙する中村正人の存在感を改めて感じた。

 是非今回のワンダーランドでも詳細な記録本を出版して欲しい。実現するべき夢に向って現実を組み立てる作業、他人と戦いなだめて前に進む様を見せてほしい。何度も開いては元気をもらうから。


――末田健氏のご冥福をお祈りいたします。
*6

*1:中村正人のブログにてhttp://blog.dctgarden.com/2007/09/30/2007930.html吉田美和のパートナーである末田健氏が亡くなられたという報告が9月30日、あった。国立競技場の公演が終わった3日後、9月26日のことであったそうだ。病死とのことでツアー開始と前後して容態が悪化していたらしい。吉田美和と結婚したのが04年5月。短い結婚生活であったと思う。ツアー最終日まで力強く歌いきった吉田美和に最大の敬意を。末田氏のご冥福をお祈りしたい、心から。

*2:ところで、映画「未来予想図〜アイシテルノサイン〜」はかなりひどいプロモーションをとっていると思う。映画内タイアップが多く、PVを見ているだけでひいてしまった。物語に没入できない。主題歌のPVは是非通常バージョンも作ってほしい

*3:1番の脚注にも書いたとおり、末田氏の件の報告をもって中村正人のブログがストップした。9月30日のことだ。10月1日は彼の誕生日。中村正人が世界に存在することには大きな大きな感謝をささげる。おめでとう、まささん

*4:ドリブログhttp://blog.dctgarden.com/

*5:TBが打てる。しかしこのエントリーは拒否された模様。がっくし。西川さんのこと書いたから?ドリに向けたドリバンザイなブログばっかりで普段は全然TB先には読みに行かない。普段からそんな選定基準なのかな…

*6:ツアーメンバーにも知らされていなかったようだ。ブログへのリンクをいれておく。Saxの本間将人さん:http://masatogtr.exblog.jp/6460824/、バッキングボーカルのGATZさん:http://tkb.gats.tv/?eid=586527

作品で昼寝して満喫――Ernesto Neto展

香川県丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に行ってまいりました。個人的に大好きな豊田市美術館と同じ谷口吉生設計ということで興味もあり、ずっと行ってみたかった美術館でした。

今回の目的は「エルネスト・ネト展」ブラジル出身のアーティストです。空間インスタレーションで、展示する土地のものを利用して作られるため2つとして同じものは存在しないのが特徴です。
今回のシリーズは室内にテントを作り出すようなもの、そこに土地の自然素材が入ったクッションが多数配置されています。足元はウレタンが敷かれ、ふわふわ。上から垂れた袋にもお米やらそば殻やらなにやらが入っています。

さすがに田舎の美術館。訪れる人はひっきりなしではありますが、ぎゅうづめではなく、美学生や現代アートオタクよりは家族連れが多いという見学者構成です。これがこの作品の鑑賞にはとてもよく作用しておりました。作品の中にいたのは20人くらい。

で、ここで寝ました。
もーみんなごろごろですごろごろ。強制的に靴を脱がされ、足の裏を拭かされ、入ったらそこはふわふふわ空間。お子ちゃまもはしることなくきゃっきゃとクッションで遊んでいます。空間に赤ちゃんの似合うこと似合うこと。
 前日朝4時まで仕事をして30分仮眠して飛行機で香川にやってきた私は大好きな生米の入ったクッションの上で本気で寝てしまいました。40分くらい。誰も咎めないし、とっても幸せでした。正しく作品を満喫できたと思います。(米どころ出身で精米したての米をそのまま食べるのが好きなのです)

美術館は駅から徒歩1分の場所にあり、駅を出て右をむいたら突然黒い現代建築が現れるのでびっくりします。なぜか美術館の前は池になっているのだと信じていたのですが、広場でした。大きな箱の前面だけ1面取り去ったような形で、彫刻でおこちゃまが遊んでいたのが印象的でした。3階のカフェの前に壁一面の滝があるのですが、涼を得るのによかったですね。

高松から電車で30分くらい、電車は30分おきくらいに出ていますから、訪問するのはそんなに大変ではありません。道中瀬戸大橋が見えたりしてちょっとお得な気分にもなります。香川県には直島、イサムノグチ庭園美術館なんてちょっと見ておきたい場所もあるんです。日数が許すなら高知県四万十川で泳いで愛媛で道後温泉に入りたかった・・・、というのは極端ですがあまりの暑さに川に入りたくなったのは事実でした。夏に行かれる方は覚悟と準備をよろしくお願い致します。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://web.infoweb.ne.jp/MIMOCA/
香川県丸亀市浜町 80−1

新幹線岡山駅より
予讃線(松山方面行)又は土讃線
(高知方面行)特急で丸亀駅下車
徒歩1分
<所要時間>
東京〜岡山 約4時間
岡山〜丸亀 約35分

高松空港より
<所要時間>
東京〜高松 約1時間
高松〜丸亀 約40分(タクシー)