作品で昼寝して満喫――Ernesto Neto展

香川県丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に行ってまいりました。個人的に大好きな豊田市美術館と同じ谷口吉生設計ということで興味もあり、ずっと行ってみたかった美術館でした。

今回の目的は「エルネスト・ネト展」ブラジル出身のアーティストです。空間インスタレーションで、展示する土地のものを利用して作られるため2つとして同じものは存在しないのが特徴です。
今回のシリーズは室内にテントを作り出すようなもの、そこに土地の自然素材が入ったクッションが多数配置されています。足元はウレタンが敷かれ、ふわふわ。上から垂れた袋にもお米やらそば殻やらなにやらが入っています。

さすがに田舎の美術館。訪れる人はひっきりなしではありますが、ぎゅうづめではなく、美学生や現代アートオタクよりは家族連れが多いという見学者構成です。これがこの作品の鑑賞にはとてもよく作用しておりました。作品の中にいたのは20人くらい。

で、ここで寝ました。
もーみんなごろごろですごろごろ。強制的に靴を脱がされ、足の裏を拭かされ、入ったらそこはふわふふわ空間。お子ちゃまもはしることなくきゃっきゃとクッションで遊んでいます。空間に赤ちゃんの似合うこと似合うこと。
 前日朝4時まで仕事をして30分仮眠して飛行機で香川にやってきた私は大好きな生米の入ったクッションの上で本気で寝てしまいました。40分くらい。誰も咎めないし、とっても幸せでした。正しく作品を満喫できたと思います。(米どころ出身で精米したての米をそのまま食べるのが好きなのです)

美術館は駅から徒歩1分の場所にあり、駅を出て右をむいたら突然黒い現代建築が現れるのでびっくりします。なぜか美術館の前は池になっているのだと信じていたのですが、広場でした。大きな箱の前面だけ1面取り去ったような形で、彫刻でおこちゃまが遊んでいたのが印象的でした。3階のカフェの前に壁一面の滝があるのですが、涼を得るのによかったですね。

高松から電車で30分くらい、電車は30分おきくらいに出ていますから、訪問するのはそんなに大変ではありません。道中瀬戸大橋が見えたりしてちょっとお得な気分にもなります。香川県には直島、イサムノグチ庭園美術館なんてちょっと見ておきたい場所もあるんです。日数が許すなら高知県四万十川で泳いで愛媛で道後温泉に入りたかった・・・、というのは極端ですがあまりの暑さに川に入りたくなったのは事実でした。夏に行かれる方は覚悟と準備をよろしくお願い致します。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://web.infoweb.ne.jp/MIMOCA/
香川県丸亀市浜町 80−1

新幹線岡山駅より
予讃線(松山方面行)又は土讃線
(高知方面行)特急で丸亀駅下車
徒歩1分
<所要時間>
東京〜岡山 約4時間
岡山〜丸亀 約35分

高松空港より
<所要時間>
東京〜高松 約1時間
高松〜丸亀 約40分(タクシー)